皆さんはどのように社員の給料を決められますか?
みなさん、こんにちは!
ZAIMUUの吉田です。
ZAIMUUナレッジでは経営者様のよくあるお悩みやZAIMUUメソッドをご紹介していきます!
皆様の日々の経営の一つのアドバイスになれば嬉しいです。
第1回目は社員の給料について。
自社の社員の給料をいくらにすればいいのか
給料の決め方で悩んでいる経営者は意外に多いです。
世間一般的に言われている決め方(業界平均の給料や、社長の若いころの給料額など…)でいいのだろうか?
と疑問がありつつも【なんとなく】決めているという経営者もいるのではないでしょうか?
そこで、ここでは給料の決め方の考え方の一例をお伝えいたします。
従業員のお給料の決め方
今日は、月に一度の経営ミーティング。
美容師であるAさんは「給料のことで相談したいです…」
「新たに従業員を雇用したいのだけれども給料をいくらに設定したら良いかわからない
知り合いの独立している美容師に聞いたところ『人件費が25万円だったら、売上は125万円は必要と言われている』との事でした。
ただ、私は売上ベースではなく、粗利ベースで考えた方が適切だと教わったし、その方がしっくりくるんです。
それで、そこから考えると、売上125万円×80%=粗利100万円
このときの労働分配率は、人件費÷ 粗利= 25万円/100万円 = 25%
ということで、『美容師は労働分配率25%くらいが適正』なのかなと考えたのですが、この考えは適切なんでしょうか?
ネットで探しても、なかなか公的な数値もなくて、数値にばらつきがあり、どうしたものかと。」
こういった場合の発想法は下記の通りです。
「美容師が1日30人のお客様を接客するときを考えてみましょう。
お客さんの単価が5千円だとして、週休2日でチェア3台、カットとカラーを中心にやってるとします。
すると、売上は、顧客単価5千円×1日30人×22日=月商330万円で、およそ年商4000万円というレベルになります。
ただ、これはアシスタントがフォローしてくれて、美容師の報酬が年間1000万円程度、月額80万円程度の美容師1人に、アシスタント3人体制でのイメージです。
このとき、美容院は収支トントンくらいです。
次に、アシスタントの力を借りながら美容師1人で接客できるマックスを考えてみましょう。
これは、キャッシュフロー的に分解すると、顧客単価は、上記と同じ30分で5千円。8時間勤務でチェア1台につきっきりで最大で16人接客できるとして、5千円×16人×22日=月商176万円となります。
この美容院の粗利率が80%として、粗利は176万円×80%=140万円。
このくらいの力がある美容師が受け取る給料の相場は、月額30〜35万円です。
つまり、40万円未満になりがちです。
なぜなら、40万円だと、院長の半分の数の診療しかしていないのに、院長の半分の報酬を受け取ることになるからです」
するとAさんは
「美容師の半分の仕事をしているなら、半分の40万円を払ってあげてもいいような気もしますが?…」
「はい、本当の意味で美容師の半分の仕事をしているなら、ですね。ただ、オーナー美容師の仕事は、施術接客の行為だけでしょうか?」
Aさんは、はっとした表示で、大きくうなずいた。
「そうか、経営判断や銀行からの借入の保証、SNSでの集客など、施術以外にもやることはいくつもありますね」
「そうです。つまり、社長は施術以外にも複数の役割を担っていることを考えると、月商176万円程度の仕事量では、美容師もなかなか納得して40万円以上を払いにくいのではないでしょうか。
なので、月商125万円となると月商176万円の約70%なので、40万円×70%=28万円となります。
すると、はじめに聞いた『人件費が25万円だったら、売上は125万円は必要』という数字に近い感じになる、という訳です」
「なるほど〜、そう考えるんですね!」
大切なのは自社の収支構造の理解!
今回大事なポイントとしては、世間で言われている目安をそのまま鵜呑みにするのではなく、ちゃんと自分なりに裏付けを確認することです。
「知人やネットでは〇〇円くらいと言っているから」ではなく、自社の収支構造を理解した上で根拠のある物差しを作り、それを基準に意思決定する事で、経営判断に自信が持てるでしょう。
また、構造を理解して根拠を持って給料を決めているから従業員に対しても金額の説明がスムーズに行え、従業員自身も何をどうゆう風に頑張れば良いかが明確になりモチベーションがアップする要因にもなります。
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